~糖質と食物繊維~
栄養学的な側面からの炭水化物の最も重要な役割はエネルギー源としてのものです。
一方、炭水化物の一部ではあるものの、食物繊維は、エネルギー源としてではなく、それ以外の生理的機能による生活習慣病との関連が注目されています。
定義
炭水化物(Carbohydrate)とは、「炭素の水化物」という意味で炭素・水素・酸素の3元素だけからなる化合物の総称。
健康増進法における栄養表示基準では、栄養成分表示を行う場合、基本表示は『エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム』の5成分表示とされているため、栄養表示基準上は、たんぱく質、脂質、灰分(ミネラル分)のいずれにも分類されないものは炭水化物に計算されます。
一般的には、糖質(Available carbohydrate,NEtcarb,glucide)と食物繊維(Dietary fiber)を合わせたものとされています。
分類
生理学的分類によれば、消化でき、エネルギーを産生する炭水化物とそうでないものに分けることができます。前者は消化性炭水化物・糖質と呼ばれ、約4kcal/gのエネルギーを産生します。
後者は難消化性炭水化物・食物繊維と呼ばれ、腸内細菌による醗酵分解によってエネルギーを産生しますが、その値は一定でなく、有効エネルギーは0~2kcal/gと考えられています。
単糖類と二糖類を合わせ糖類※といい、糖類と少糖類を合わせて単純炭水化物(Simple carbohydrate)、多糖類と食物繊維を合わせて複合炭水化物(Complex carbohydrate)といいます。
糖質を化学的特徴である重合度によって分類すると、糖類(重合度が1または2)、少糖類(3~9)、多糖類(10以上)に3分類されます。
糖類はさらに、単糖類、二糖類に分かれ、単糖類にはぶどう糖、果糖、ガラクトースがあり、二糖類 にはしょ糖、乳糖、麦芽糖等があり、糖類には含まれないが、糖アルコールとしてソルビトール、 マンニトールなどがある。少糖類はマルトオリゴ糖(α‒グルカン)とぶどう糖以外の単糖類を含むオリゴ糖に分かれます。
多糖類はでんぷんと非でんぷん性多糖類に分かれ、前者にはアミロースや アミロペクチンがあり、後者にはセルロース、ヘミセルロース、ペクチン等があります。
※糖類
糖類(Sugar,asaccharide=糖分,Sugarcontent)とは、糖質のうち「単糖類と二糖類を言い、吸収されにくい粉末還元麦芽糖、水飴、エリスリトール等の糖アルコールは除きます」(栄養表示基準第3条)
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